酷い映画を観た 映画 Comment(0)

先日、死体役を演じられた役者さんの記事を読んだのかきっかけで
映画「臨場 劇場版」を観に行ってしまいました。

以下、同作品のネタバレと大いにディスった記述があります。
作品ファンの方はお気を悪くされるかもしれませんので、ご覧にならないで下さい。

続きを読まれる方は、右下の「つづきを読む」からどうぞ

テレビ連ドラの映画化とのことですが、予備知識ほぼ無しの状態で観ました。
まずこの時点で観に行ってはいけなかったのですが
同じく予備知識無しで観た「外事警察」が非常にスリリングで大変楽しめたため
シリアスな人間ドラマらしい「臨場 劇場版」に対して、勝手にハードルを上げて期待してしまっていたようです。

映画冒頭、大雨の中おっさんが微妙な受け身をとって上手に倒れました
いきなりクサい演出を見せつけられて地雷臭を感じ、たじろぎます。
そのおっさん、検視官とのことで、仏様が転がる現場にスローモーションとブーツの着地に合わせて効果音ドーンのこれまたクサい演出で現れるや、タンクトップを魅せつけつつ現場で制服を羽織ります
失礼だな。初めから制服着てこいよ・・・
ていうか、通り魔事件の被害者なら例え絶望的な状況でも救急搬送されるべきじゃないのか。変死体のごとく現場保存しているこの描写はリアルなのか？
このおっさんは作品内でリスペクトされていところをみる、作品世界では組織に媚びず、仕事もできてカッコイイとの扱いになっているみたいですね。

作品の導入部で強く感じた違和感は、我慢して見続けるにつれ増すばかり…

なぜか捜査会議の場にいる。そこでなぜカブ喰うんだ？無頼漢であることの演出ですかｗ
自分の気づいたことを部下や上司に伝えず「お前らが自分で気づけ」とのポーズｗ
警察官だろ。事件解決に最大限尽力しろよ…

防犯カメラを見据えて、おっさん変顔でばったり変な倒れかた。演技指導で演じられたならお気の毒です
それをきっかけにうなぎ屋大捜索。指紋出るけど不特定多数が出入りする場所での指紋で犯人確定するなよ

殺人の手口、動脈をナイフ一突きで切断って…しかも4箇所。プロの暗殺者ですか？それに動脈切断で吹き出した返り血の処理はどうしたんだよ…

他にも、実弾を2発受けても元気な通り魔犯・腕をハサミの刃が埋まるほど深く刺されても顔色変えないスーパーおっさん主人公（末期ガンなのに元気に走り回ってる）・大事な場面だから3回見せましたと言わんばかりの必殺技演出がされたおっさんパンチ・パンチのベクトルと違う方向に飛ぶ犯人・最期はおっさんとステンドグラスのキリストをオーバーラップで重ねるわかりやすい、あまりにわかりやすくて、しかもクサい演出。

劇中の描写がどれもこれも、安易で現実味がないため、それが積み重なって作品自体が恐ろしく嘘くさい。
映画に嘘は付き物だろうけど、そこは上手に騙してくださいよ。
見に行ってしまったことを、ここまで真剣に後悔した作品は初めてでした。